心理師・千田の思考:今年前半6カ月の振り返り、相談ではうつ病、ASDと夫婦関係、境界知能、性犯罪加害者そしてセックスレス・性生活


「なんだこのタイトルは」と思われた方も多くおられるとは思いますが、2024年も7カ月経過して、今年の前半の相談はどうだったかをちょっと振り返ってみました。

相談のスタイルは、来室とオンラインが半々という感じでした。
では、今年前半の相談で多かった問題と、どのような方が来られたのかについて書いてみたいと思います。


うつ病(産後うつ病を含む)の認知行動療法と鍼治療
うつ病は認知療法・認知行動療法が得意とする疾患の一つであるのと、勝手な思い込みではありますが、うつ病の鍼治療や認知行動療法との併用を、千田が行っていることをほんの少しでも世の中の皆さんに認知していただけた結果、今年の前半はいつになく多くの方が相談に来ていただけたのかな?と思っています。


実は、ストレスでうつ病まで重くはなっていないけど憂鬱な状態や、疲労状態(脳の疲労も含む)、自律神経のバランスの乱れからの様々な身体症状は鍼治療が有効な方法の一つであることは、医師や鍼灸師などの専門職ではわかっていることではあります。
医療系の学会や鍼灸学会などで発表が毎年多数ごさいます。


心理師・千田の思考「ストレス疾患やうつ病に鍼治療は効果があるのか」




自閉スペクトラム症(ASD)に特化した認知行動療法と併存疾患と二次障害
中学生以上のASDの個人の認知行動療法と
夫(妻)のASDに対して夫婦の認知行動療法を行っておりますが、もちろんASD単独だけでなく、次に出てくる境界知能や注意欠如・多動症(ADHD)の併存されている方や、二次障害としてうつ病、パニック症、強迫症、その他の精神疾患をお持ちの方が相談に来られました。

私が、ASDに特化した認知行動療法と夫婦・家族療法が専門ということもあるとは思いますが、個人の相談よりも夫婦の相談が前半では多かった。
また、個人の相談では中学生から高校生よりも、大学生とお仕事をされている方の相談(二次障害を含む)が多かった。


自閉スペクトラム症(ASD)の認知行動療法とカウンセリング




境界知能の認知機能強化トレーニング
境界知能においては、今年の前半では大人に比べて子供達が『コグトレ』と『前頭葉・実行機能プログラム』に申し込まれるのが多かった。
子供の場合は、お父さんやお母さんが費用を出していただけるからというのもあるだろうとは思っています。


大人でお申込者になられた方はというと、何とか働けてはいるが社会生活でしんどい思いをされている方と、親の希望というのもあるとは思いますが、20代から30代の方(親が費用を負担されていた)で、性犯罪加害者の再犯防止のための認知行動療法と併用を申し込まれた方々でした。


子供の申込者は、『授業についていけない』や『先生の言っていることが半分程度しか理解できない』等、授業や勉強の問題を抱えられている方が一番多かった。


それ以外には、
『家の物を盗んだり噓をつくようになった子供』等、非行問題や問題行動を抱えていて、親の希望で問題行動の解決に向けての認知行動療法とコグトレの併用を希望された数名の方。


それと、『痴漢』『窃視症(のぞき)』『盗撮』『強制わいせつ』『家庭内(兄妹間など)でのわいせつ行為』など性暴力や性虐待を起こした子供で、先ほど非行のケースと同じで親の希望で子供の年齢によりますが、『コグトレ』又は『前頭葉・実行機能プログラム』と再犯防止の認知行動療法プログラムを併用を行った数名の方。


千田の私見
お母さん、お父さんには、子供が小学校の入学後1年ぐらいで境界知能であることに気づいていただければと思っています。

そして、小学2年生から小学4年生ごろには、経済的負担がかかってしまいますが認知機能強化トレーニングや、併用して個別の基礎学習指導などを受けられる環境を作ってあげていただければと考えております。


また、子供の成長にとても重要なこととして、子供に対して常に肯定的表現(言動)を用いて子育てをしていただければとも考えております。


境界知能の相談とトレーニング




性犯罪加害者の再犯防止のための認知行動療法
専門の相談機関が少ないというのもあるとは思いますが、『性犯罪加害者や性暴力の再犯防止のための認知行動療法』の相談者は今年の前半も毎月一定数のお申し込みがありました。


また、当ルームは個別の認知行動療法プログラムということもあるのかもしれませんが、他機関でのグループのプログラムが合わなかった方や、軽度知的障害のためにグループプログラムが申し込めなかった等、様々な理由でグループのプログラムをお受けになれなかったりならなかった方で、お申込みになられる方も何人かおられました。


刑事施設を出られた方や少年院を退院された方、起訴猶予(不起訴)やその他の刑で刑事施設には入らなかった方など様々な方が来られています。

今年前半は、子供の性の問題行動の相談が若干ではありますが成人の方よりも多かった。
例えば、小学生の兄妹間の問題(同じ家に加害者と被害者がいる状況)や中学生と高校生の盗撮と痴漢が多かった。
成人では、痴漢、盗撮、強制わいせつが多かった。


被害者の気持ちを考えると、少しでも再犯者を少なくできるように微力ながら相談を継続していければと考えております。

性犯罪加害者や性暴力の再犯防止のための認知行動療法とカウンセリング




セックスレスと性生活問題のセックスカウンセリング
セックスレス(未完成婚を含む)の問題については、ホームページでもたくさん書かせていただいているので、常に一定数の夫婦・カップルの方が相談が来られています。


前半相談が多かったのは、一番は『男性側の問題によるセックスレス』がダントツで多かった。
次に多かったのは『女性側の問題による未完成婚』
そして、『男性側の問題による未完成婚』と『女性側の問題によるセックスレス』の順でした。

また、夫婦関係に影響を及ぼすような性生活問題や個人の性嗜好などの相談も、この問題は今年前半ということではなく毎年1年を通して多くの方が相談に来られています。

ただ、相談に来られるまでにある程度日数が経ってから来られる夫婦・カップルがまだまだ多い。
相談に抵抗があったり、恥かしさなどあることも理解はしますが、パートナーの気持ちを考えると早く来てほしいものです。


レクチャー
約3年間、2カ月に1回ペースで、『セックスレス解消へはじめの一歩』と『未完成婚解消へはじめの一歩』のレクチャーをリアルタイムで行っていましたが、リアルタイムだと視聴できない方もおられたので、6月よりあらかじめ録画したものを『オンデマンド配信』で2週間視聴できるようにしました。
費用もカウンセリング受ける場合に比べて半額で受けられるようにした。

これで、カウンセリングに抵抗があったり、恥かしさをお持ちの方の抵抗感が少しでも減って、なるべく早くまずは心理教育(性教育)の部分を知っていただけ、性差などを理解していただけるのではと期待しております。
そして、夫婦・カップルが受講後必要だと思えばセックスカウンセリングを受けていただければと考えています。

セックスレスと性生活問題の相談とカウンセリング

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