問題解決にどの程度の回数が必要か。うつ病、不安症、自閉スペクトラム症など
私(千田)の約30年の臨床経験を踏まえた主観的な考えであることをご理解の上お読みください。
私の専門心理療法の一つ認知行動療法について、良くなるまでにどの程度の回数や期間受ける必要があるのか。
もちろん、個人の状態によって変わることであることは重々理解しておりますが、現在悩まれている人に大体の目安を示すことができればと考え書いてみました。
担当する心理師の条件
大学院(修士課程又は博士課程)で認知行動療法の先生について学び、スーパーバイズ(指導教官の指導の下でクライエントの相談をする)も20回以上受け、卒後8年から10年程度、認知行動療法を専門に行っている中堅の心理師か、それ以上の経験年数をお持ちの心理師を想定して書かせていただいております。
うつ病
1、育った環境は問題はなく成人してはじめてうつ病になり、精神科で1カ月~3か月程度お薬も飲んでいる方の場合。
相談回数としては、10回~20回程度(期間で考えると3か月~6か月程度)
なお、抑うつ状態や軽症のうつ病の場合は、お薬よりも認知行動療法が優先(第一選択)されます。
2、育った環境は問題ないが、精神科でお薬を飲み始めて2年以上経過しているが状態があまり変わっていない方や3か月とか6か月で再発を2回以上繰り返されている方の場合。
回数というより相談期間としては、1年~3年程度
不安症の場合(パニック症、社会恐怖症・その他の不安症状)
1、育った環境は問題なく成人してはじめて不安症になり、精神科で1カ月~3か月程度お薬も飲んでいる場合。
相談回数としては、10回~20回程度(期間で考えると3か月~6か月程度)
2、育った環境は問題ないが、精神科でお薬を飲み始めて2年以上経過しているが状態があまり変わっていない方や3か月とか6か月で再発を2回以上繰り返されている方の場合。
回数というより相談期間としては、1年~5年程度
自閉スペクトラム症(ASD)の場合
1、現在の認知行動療法や心理療法では、自閉症スペクトラム症(以後、ASDと表記)の症状(特性)をなくすことはできません。
ASDに特化した認知行動療法では、ASDの特性をマネジメントして生きやすくしていくための方法です。
対象は現在、中学生(小学5年生以上は可能)・高校生から成人で、ASDに特化した認知行動療法の場合。
相談回数としては、10回~20回程度(期間で考えると3か月~6か月程度)
2、ASDの二次障害として、うつ病やパニック障害、強迫性障害、その他の精神症状や不登校、引きこもりなどの症状が併存している場合。
例、二次障害がうつ病の場合、ASDの特性を考慮しながらうつ病(そのほかの症状でも)に対する認知行動療法をまずは行って症状がよくなったところで、ASDの特性をマネジメントする認知行動療法を加える又は併用しながら行う。
相談回数としては、10回~50回程度(期間で考えると3か月~2年程度・幅がすごくございます)
プログラムとしては、以下の3つがございます。
1、中学生以上(小学5年生以上は可能)を対象にした、個人の認知行動療法
2、中学生(小学5年生以上は可能)~高校生までの親子での認知行動療法
必要に応じて別途で親へのペアレントトレーニングも行います。
3、夫婦を対象にした認知行動療法
必要に応じてカサンドラ症候群の対応も含む
中学生(小学5年生以上は可能)~大人の自閉スペクトラム症(ASD)の認知行動療法
-認知行動療法によるセルフケア(マネジメント)の方法を学ぶ-
対 象:中学生以上(小学5年生以上は可能)の方(個人・親子・夫婦)
認知行動療法の回数や期間を考える場合
1、育った環境は問題なく成人して、はじめての症状で精神科で3か月程度お薬も飲んでいる場合は、約70%程度の確率で相談回数としては、10回~20回程度で終了すると思います。
2、育った環境に継続して問題があり、本人は成人しているが現在も関係が継続している場合は、1年~5年と長い期間が必要になります。また、中学生・高校生の場合は家族療法を併用しながら進めていく必要性があると考えられます。
3、再発を繰り返している場合なども1年~5年という期間が必要であろうと考えます。
公認心理師や医師、看護師などを対象にした認知行動療法セミナーでいつも言っていることは「再発を限りなくしないようにしてください」と説明をさせていただいております。
理由は、再発が繰り返されるとネガティブな考え方が脳内の長期記憶に固定化してしまい、良くなるまでの期間がどうしても長くなってしまうからです。
もう一つの専門であるセックスカウンセリングよりセックスレス
男性側に問題がある場合
1、セックスレス以外は普段の生活では、カップル仲や夫婦仲は良い又は、それほど悪くなっていないセックスレス状態の場合。
相談回数としては、1回~3回程度
2、未完成婚やはじめてのセックスの場合(年齢に関係なく)。相談回数は1回~3回程度
3、長くセックスレス状態のために、普段の関係性まで悪くなってしまっているカップルや夫婦の場合。
夫婦療法も加えて、期間としては1年以上または、別れや離婚
女性側に問題がある場合
1、未完成婚やはじめてのセックスの場合(年齢に関係なく)。
1回~10回程度(間違った考えの強さと恐怖の度合いによって変わる)
2、挿入できるときもあるが痛みもある場合。
個人差が出る(考え方や今まで行ってきた方法などなど)がとても出るために1回~15回程度
3、夫の浮気、夫婦喧嘩が多いために起こっている性交疼痛の場合。
夫婦療法を加えて普段の生活での関係修復をはじめに行うために、6か月~3年程度、または離婚
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最後に
うつ病や不安症であろうとセックスレス問題であろうと、また、対人関係や夫婦・家族関係問題など様々な問題はあるが、認知行動療法(心理療法)で考えると「いかに早い段階で相談に行くか」ということが相談期間の長さを決めてしまいます。(悩んでいる期間が長いとその分問題がこじれてしまう)
もし、今あなたがうつ病等の問題で精神科や心療内科に通われているのであれば、一度担当医に認知行動療法や心理療法を受けることは解決に有効なのかを聞くのも一つだと思います。
ただし、問題や症状、物事のとらえ方によっては、認知行動療法をはじめ心理療法が効果的とは言えない場合もあります。
今回は私が考える一つの目安的なことを書かせていただきました。
問題を抱えて悩まれている方は、早めに相談に行かれることが解決までの期間を短くするということを知っておいてください。
くれぐれも我慢のし過ぎには注意してください。
解決に向けて当ルームに一度、相談にお越しください。
当ルームでは、対面相談とオンライン・カウンセリングで相談を行っております。
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