自閉スペクトラム症と二次障害の相談・当ルームでは
当ルームでは、自閉スペクトラム症(以後、ASD)とその二次障害でお困りの方の相談については、基本的には中学生以上の方を対象に認知行動療法という方法を用いて行っております。
では、小学生の相談を行っていないというとそうではございません。家族療法やペアレントトレーニングなどを用いて相談も行っております。
どのような方が来られているか
中学生~大人での困りごと一番多い相談は
1、自身のASDの特性によって対人関係などで困られている方
二次障害がある場合の基本的な進め方
中学生・高校生そして大人も、まずは二次障害を解決するための認知行動療法を行ってまいります。
そして、次にASDの特性のマネジメントを目的とした認知行動療法を行ってまいります。
中学生・高校生の二次障害
1、不登校と引きこもり・・不登校の場合は相談ができますが、引きこもりの場合は本人(大人も同様)との相談が難しい場合も多々あります。
2、強迫症・・ASDの特性との判断を行いながら相談をしております。
3、社会不安症
4、パニック症
5、抑うつ状態・うつ病
大人の二次障害
大人(社会人)は、うつ病などの問題で相談に来られた方が、後でASDであったということがわかることが度々あります。
学校であれば、十分とは言わないが『合理的配慮』がなされるが、会社の場合、障害者枠で就職していれば対応をされるが、多くは会社には言わないで就職されていることであろうと考えます。(二次障害の場合、そもそも本人がASDであることをわかっていない場合も結構ある)
1、うつ病
2、強迫症
3、社会不安症
4、パニック症
5、依存症・・当ルームではアルコール依存と言われた方が多い。
医師にグレーソーンと言われた方
私(千田)は、あまりに曖昧な表現で好きではないのですが、ASDやADHDの診断基準を満たしていない場合に用いられています。
では、定型発達かというとそういうわけでもない。
要するに、現在の神経発達症の診断基準は満たしていないが、部分的にはその特性があります。といっていることになります。
現在問題がなければいいが、その特性による問題や二次障害があれば特性を理解した上での相談が必要になります。
グレーゾーンと伝えられた方で、自身の特性や二次障害で困られている方は実際のASDの診断を受けた方よりも多くおられると考えます。また、そのように言われた方もたくさん相談に来られております。
放課後等デイサービスについて
ここについては、中学生や成人のASDの相談を日々行っている心理師の戯言として聞いておいてください。
小学生が放課後等デイサービスを利用する場合は、マンツーマンでの療育を行っているところがいいかなと思っております。
理由は、小学生の間は個人の自尊心や自己肯定感、自己効力感などを、しっかりと自分(特性も含む)というものに対して自信を持てるように育てる時期ではないかと考えています。(この部分だけを考えた時に、集団ではやることはむつかしいのではないかと考えています)
自分に自信を持てていれば、中学生(発達によっては小学校の高学年から)から行う社会性のトレーニング(集団での対応方法)もスムーズに進むのではないかと思っております。
相談に来られている方を見ているとそんな感じがしています。
次回からは、ASDの各特性について具体的に書いてみたいと思います。
こちらのページもご参照ください。
『自閉スペクトラム症(ASD)の相談と認知行動療法』
『大人(学生も含む)の自閉スペクトラム症:個人も夫婦もまずは特性を理解することから』