人前で発表したり、初めての人なんかと会うときに緊張する人は多いと思いますが、その緊張が過度になってしまったり、毎回強い不安や恐怖を感じ会議に出られなくなったり、教室に入れなくなったりと日常生活に支障をきたしてしまっていると社会不安障害の可能性があります。
この障害は思春期に発症することが多く男女差は特にございません。
また、アメリカの調査ですが、12ヵ月有病率は約7%と推定されています。
社会不安障害
A.他者の注視を浴びる可能性のある1つ以上の社交場面に対する著しい恐怖または不安。
例として、
社交的なやり取り(例:雑談すること、よく知らない人と会うこと)、
見られること(例:食べたり飲んだりすること)、
他者の前で何らかの動作をすること(例:談話すること)が含まれる。
B.その人は、ある振る舞いをするか、または不安症状を見せることが、否定的な評価を受けることになると恐れている(すなわち、恥をかいたり恥ずかしい思いをするだろう、拒絶されたり、他者の迷惑になるだろう)。
C.その社交的状況はほとんど常に恐怖または不安を誘発する。
D.その社交的状況は回避されまたは、強い恐怖または不安を感じながら耐え忍ばれる。
E.その恐怖または不安は、その社交的状況がもたらす現実の危険や、その社会文化的背景に釣り合わない。
F.その恐怖、不安、または回避は持続的であり、典型的には6か月以上続く。
G.その恐怖、不安、または回避は臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。
H.その恐怖、不安、または回避は、物質(例:乱用薬物、医薬品)または他の医学的疾患の生理学的作用によるものではない。
I.その恐怖、不安、または回避は、パニック症、醜形恐怖症、自閉スペクトラム症といった他の精神疾患の症状では、うまく説明できない。
J.他の医学的疾患(例:パーキンソン病、肥満、熱傷や負傷による醜形)が存在している場合、その恐怖、不安、または回避は、明らかに医学的疾患とは無関係または過剰である。
参考文献:
高橋三郎・大野裕監訳『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』
医学書院 2014/6/30