セックス問題(セックスレスを含む)や性生活問題と神経発達症(発達障害)


はじめに

タイトルをセックス問題や性生活問題とさせていただいたのは、問題はセックスレスだけでなく、普段の夫婦関係問題や性の依存症、様々な性犯罪などの問題もあるのでこのようにしました。


ASDやADHD単独でも併存でも、性の問題や二人の関係性の問題が起きてしまうので、悩んでいる本人またはパートナー(カサンドラ症候群等)の方はすぐにでも相談に来てください。

当ルームでは、問題解決に向けてASDやADHDに特化した認知行動療法と夫婦(カップル)療法を中心にカウンセリングを行っております。

相談に来られた一例として

『日常生活での会話がかみ合わなかったり、気持ちを理解してもらえない』など夫婦の関係性の問題
性生活やセックスの問題ではないが相談者が多いので載せました。
夫(妻)に気持ちを理解してもらえない。世間話やちょっとした話ができないので会話がかみ合わない。など、ASD(ADHDも含まれる場合もあります)の特性を持った夫(妻)との関係性の問題で悩まれている妻(夫)

カサンドラ症候群と言われている状態も含めて、相談へは早ければ早いに越したことはないです。

『セックスをしていて夫から全く感情が感じられない』
まるでマスターベーションでもしているかのように、単に腰だけを動かし自分だけ満足すれば(射精すれば)終わってとっとと寝る。そのようなセックスが1週間に何度も求められたりして苦痛を感じる。とか、


『妻とセックスをしていて』
まるで人形とでもしているかのようで、反応がない中でセックスをしていてむなしいと訴える夫。


『セックスを1週間に何回も求めてくる、求めてしまう』
衝動的にセックスを求めてくる夫や妻、または、特に女性にとって危険がある問題の一つとして、外で知らない人とでもすぐにセックスをしたり、出会い系サイトで知り合ってその日にセックスを行ったりと、セックスをすぐに求めてしまう女性や男性。


『相手もセックスをすることをオーケーしたと勝手な解釈(認知の歪み)をした性加害者』
神経発達症の特性も絡んで、相手が拒否を示す態度をとったにもかかわらず、自分勝手な解釈やその態度の意味を理解できずに相手もセックスすることをオーケーしたと考えて性暴力を行った加害者。(加害者が大人だけでなく中・高校生など子供の場合もあります)


これ以外にも、『今までに一度もセックスを求めてこない』など、様々な問題パターンがありますがここまでにしておきます。(実際の相談ではいろいろあります)


性加害者問題については以下のページもご覧ください
性犯罪加害者や性暴力の再犯防止のための認知行動療法とカウンセリング


もちろん、このような状態がすべて神経発達症(発達障害)が原因というわけではありません。
単にセックスについての知識や経験がないため、どうしていいのかわからずいつも緊張してセックスをしていることで、このような状態になってしまっている場合もあります。


また、性嗜好性の問題や性依存、嗜癖行動としての性の問題行動や性加害行為などでも、神経発達症(発達障害)の方はむしろ少ないと思います。ただ、関係している場合もあることと、ASDなどのこだわりの特性がセックスに向いてしまう場合もあることは知っておいてください。


それ以外にも、パーソナリティー障害の影響や、育った環境の影響を強く受けてしまっている場合などで問題が生じている場合もあります。
パーソナリティー障害の場合は、問題解決までに年単位のカウンセリングが必要になるケースが多いです。

ずいぶん前ですが、以下のタイトル(千田の相談ケースとして)で分担執筆しました。

タイトル:セックス・セラピーを求めてきた夫が不安性(回避性)パーソナリティ障害の一症例
井上和臣編著 パーソナリティ障害の認知療法--ケースから学ぶ臨床の実際
岩崎学術出版社,東京;p.181-195,2011




さて、夫(妻)が特に自閉スペクトラム症(以後、ASDと記載)や注意欠如・多動症(以後、ADHDと記載)の場合、その特性からの反応である場合。

夫(妻)のASDやADHDの特性
妻(夫)のASDやADHDでない特性の違いをお互いにまずは理解して、そのうえで本人のコントロール(セルフマネジメント)する方法を学ぶのと、パートナーが、その特性を理解してASDやADHDの特性を持ちながらも相手のことも考えたやり方などをお互いに学習していく必要があります。
なお、ASDやADHDの特性がなくなることはありません。


ASDやADHDの問題は、結婚前には気づかなかったけど、結婚後一緒に過ごすようになるとコミュニケーションがかみ合わなかったり、情緒的な部分が理解してもらえないことなどがわかったりします(相談に来られる方で、夫婦の関係性の問題に発展してしまっている場合もあります)

また、未完成婚の場合などでは今回書かせていただいているように、結婚後にセックスをしてみて情緒的なところが苦手であることがわかったり、セックスの回数や方法などにこだわりがあるなどの特性によってセックスの問題が浮き彫りになったりします。


この場合、本人もパートナーも当初は気づいていなかったが、この問題で本人を含めてパートナーや相方が実は夫(妻)はASDやADHDなんだということに気づいたりします。
(ASDやADHDの診断はつかないが、その特性があるという方を含めると10人に1人いるといわれております)


また、結婚前から夫(妻)がASDやADHDであることを知っていて結婚したが、実際結婚生活が始まるとこんなことになるとは思わなかったなど、予想を超えた問題に発展してしまう場合もございます。

もちろん問題なく良い関係を築かれているご夫婦もたくさんおられます。

結婚前から夫(妻)がASDやADHDであることを知らなかった場合でも知っている場合でも、関係性が修復できない場合は残念ではありますが、離婚ということになってしまいます。

さて、セックスの問題の場合は、セックスカウンセリング/セックスセラピーを行うのですが、通常のセックスカウンセリング/セックスセラピーではなく、夫(妻)のASDやADHDの特性と妻(夫)ASDやADHDでない特性を明らかにして、そのうえで本人及びパートナーがどのような方法がとれるのかを検討していくことになります。

ASDやADHDに特化した認知行動療法とセックスカウンセリング/セックスセラピーの併用療法。
担当する心理師は、神経発達症の認知行動療法とセックスカウンセリング/セックスセラピーの専門であることが必要になります。


また、セックスだけの問題ではなく、普段の夫婦関係が問題になっている場合も多々あります。

ASDやADHDの夫(妻)の相談は夫婦関係問題で来られる夫婦・カップルの方が圧倒的に多いです。
(性生活にも問題はあるが、普段のコミュニケーションや日常の関係性がうまくコントロールすることが先決で、それが解決してからセックスの問題に移るという感じになります)


その場合は、ASDやADHDに特化した認知行動療法と夫婦療法そして、セックスカウンセリング/セックスセラピーの併用療法が必須。

認知行動モデル



ASDやADHDの特性を明らかにすることで、対処行動を考え問題解決してセックスを含めたより良い夫婦生活をされているご夫婦もたくさんおられます。


つらい状況をお一人または二人で1カ月2か月と悩まれているのでしたら、早めに専門機関を探されて相談に行ってください。
(女性の心理師を希望される方もあるかと思いこのように書いています。男性・心理師でよければ当ルームに相談にお越しください)

ASDやADHDなどの神経発達症の認知行動療法と性問題に対するセックスカウンセリング/セックスセラピーの両方を行える専門の相談機関は少ないと思いますが、あきらめずにネットなどで検索して探して相談に行ってください。

また、性問題は問題がないが夫婦の関係性(コミュニケーションなど)に問題がある場合は、神経発達症の夫婦に対して夫婦・家族療法が行える相談機関に行かれるといいと思います。


神経発達症の特性が原因で二人の関係(日常の関係や性生活関係)に問題が生じていたり、性的問題行動や性加害行動があれば早めに相談にお越しください。

当ルームでは、対面相談とオンライン・カウンセリングで相談を行っております。


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自閉スペクトラム症(ASD)
中学生~大人の自閉スペクトラム症(ASD)の認知行動療法
-認知行動療法によるセルフケア(マネジメント)の方法を学ぶ-
対 象:中学生以上の方(個人・親子・夫婦)




中学生~大人の注意欠如・多動症(ADHD)の認知行動療法
日常生活における実行機能のセルフケア(マネジメント)の方法を学ぶ-
時間の管理/整理整頓のシステム作りと実行・維持/計画を立て実行
対 象:中学生以上の方(個人・親子・夫婦



セックスレスでお困りの方は、以下のページもご参照ください。
『セックスレスと性生活問題の相談とカウンセリング・ページ』

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